私が五条悟を好きな理由

私が五条悟を好きな理由

この内容は呪術廻戦の単行本13巻まで(0巻含む)のネタバレを含みます。

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五条悟は最強だ。それは生まれ持った才能によるもので、逃れられない運命のようなものだ。呪術廻戦の能力は、ほぼほぼ生まれ持った才能に左右される為、五条悟はこの能力を持って生まれた以上、呪いと戦う運命と言っても過言ではない。

五条悟は最強だ。最強とはどういうことなのだろうか。誰よりも強いということである。誰よりも強いと全て解決するのではないか。いや、解決しない。

五条悟は、自らの脳も常に回復させられる。それはつまり常に戦えるということだ。

しかし、それでもなお全ての人間を救うことは出来ない。それは、考えたらわかることで、五条悟が1人強くても世界中の呪いを瞬時に祓えるわけではない。五条悟は誰よりも強いが、1人の人間であり、救える範囲には限界がある。そして、その範囲ということだけではなく、相手の気持ちということもある。親友を失った後に本人が呟いている通り、「他人に救われる準備がある奴」しか救えない。

七海が「もうあの人1人で良くないですか?」と言った。そのくらい強く、そのくらい皆が頼りにしてしまう人だ。本人も最強であることを自覚している。時々いないことを鑑みても、実はかなり仕事をしていると思われる。それでもなお、限界がある。にも関わらず、五条悟が助けてくれる、五条悟が何とかしてくれる、という期待が呪術師全体に生まれてしまう。最強ということは、そうやって期待を背負ってしまう。期待があるということは、何かあってもし失敗してしまえば、五条悟のせいにされてしまうということだ。五条悟の責任が重すぎる。

冒頭の通り、五条悟が最強なのは、生まれ持った才能によるもので、逃れられない運命である。そのせいで、ここまでの責任を負わされているのである。

それはとてつもない理不尽さを感じる。

一歩間違えたら、五条悟が呪詛師になってしまう未来もあった。それは、理子の死後に教団でコイツら殺すか?と言ったところでの危うさを見れば、感じたことだろう。その時に止めた夏油の方が呪詛師になってしまった。親友が呪詛師になってしまった。最強なはずなのに、親友を救うことが出来なかった。そこで自らは最強であるけれども、救えない人がいることに気付いてしまった。その無力さから、五条悟は自分くらい強い人間を欲している。だから教師をしているのだと思われる。もしも、夏油傑が呪詛師になっていなかったら、教師にはなっていなかったのではないだろうか。皮肉なものだ。

最強であるが故の辛さ、理不尽な運命、不憫さ、そこに対して五条悟は、一度も音を上げず、ただただ戦っているのだ。

この戦いは、孤独だ。親友も失い、志を共にするような人はいない。どうしてそこまで頑張れるのだろうか。最強である彼にとっては、もしかすると苦ではないのかもしれない。飄々とした性格もあって、常に余裕に見える。それでも、時折見せる孤独感に胸が締め付けられる。胸の奥底には、この逃れられない運命に負けてたまるかというような想いがあると私は感じる。

五条悟の一人称が現在は”僕”である。それは夏油に注意されたからである。使い始めたのは、夏油が高専から居なくなり、自らの無力さを知った後からである。これは、元々は親友への愛や弔いの思いからだと思うが、私は五条悟は”僕”と言う度に夏油のことを思い出してしまうのではないかと思う。そしてそれはイコール自らの無力さを思い出してしまうと思う。まるで呪いのように。

五条悟はずっと自らの無力さと戦っているのだ。最強だからこそ感じる無力さと。

それなのに、最強だから対策される。最強だから隔離される。最強だから……。最強であることが繰り返し強調される。最強だからこそ出来ないことがある。理不尽であり、あまりにも不憫すぎる。敵の姿が殺したはずの親友だった。こんな辛いことがあってたまるか。そんな酷い対策までされてしまうのだ。五条悟1人が強くても駄目なのだ。

人間離れした能力を持っても、五条悟は1人の人間だ。親友を救えなかった自らを悔やみ、その無力さと戦い生徒を育て、そんな中親友の姿をした敵に会って心を乱されてしまうなんて、人間臭すぎる。あまりにも心が人間味溢れている。

私は彼のそういった精神が大好きだ。

性格以外が完璧と言われる彼は、こんな人間いるかと思うぐらい、全て完璧だ。それでも1人の人間なんだ。

負けないで欲しい。自らが最強であるということに負けないで、どうか戦い続けてほしい。その理不尽さに負けないで欲しい。五条悟自身が戦わなくても、彼が育てた生徒が勝てば、それは五条悟の勝ちと同義だ。負けないで欲しい。皆で勝って欲しい。

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ohanachann

http://ohanachann.strikingly.com/

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