EDMという名称に違和感がある理由

はっきり言って私は音楽のジャンルにはうるさいほうだとは思う。ジャンルというのは曖昧ではっきりとカテゴライズ出来るものではないが、あると便利。そもそもこういう話をするのが楽しいし、ジャンルがあると音楽発展の歴史への理解も深まる。ようは楽しむためのツールの1つだ。

そういうことなので、うるさいとはいえど何も否定していないことは理解してほしい。

(ここから先のことは専門家ではないものが書いてますので、多少の誤りがあっても許してください)

まずはクラブミュージックを非常に簡単に説明する。クラブミュージックとは、ナイト・クラブでのダンス文化の中から発生したダンス・ミュージックの総称だ。

クラブミュージックの歴史を全て語ることは出来ないけれども。クラブ(もしくはディスコクラブ)を中心し様々な文化的要素を含みつつ、DJが生まれたり、音楽の電子機械な登場などがあり、発展してきた。

戦時中に生演奏が難しくなった状況から、生の演奏ではなくレコードを流して楽しむディスコクラブという場所が生まれた。その後、アメリカでゲイの方々を中心に様々な音楽が混じりあったディスコクラブが発展してディスコが生まれた。

そして、技術の発展により音を奏でる電子機械(シンセサイザーなど)が現れ、ディスコを元にしハウスやテクノが発展していった。

代表的なハウス曲

Frankie Knuckles – Your Love https://youtu.be/zl6uliNCkUU via @YouTube

※ハウスの語源は当時のディスコクラブ「ウェアハウス」から来ている

代表的なテクノ曲

Rhythm Is Rhythm – Strings Of Life – 1987 https://youtu.be/rFQZndywOR4 via @YouTube

※ハウスの後に色んな新しい試みを追加したみたいなジャンルなので、今の音楽においてハウスとテクノの聴き分けは困難

ここまで聴いてもらって分かると思うけれども、特徴は電子音、4つ打ち、繰り返しみたいな感じだと思う。

そして、ハウスやテクノという大きなジャンルから派生ジャンルが沢山生まれた。ハウスで言えば、アシッドハウス、テックハウス、ディープハウス、プログレッシブハウスなどだ。ハウスとついているので分かる通り、元々のハウスの基本要素を引き継いでいる。

テクノで言えば、ミニマルテクノ、ハードコアテクノなどなど。

例としてハウスの派生ジャンルを以下に書く。

アシッドハウス

PHUTURE – ACID TRACKS (1987) VINYL https://youtu.be/igNBeo3QSqc

※元々の発生は、1987年、シカゴでDJ Pierreが『Acid Trax』を製作した時、古いアナログシンセサイザー「ローランド・TB-303」のツマミをランダムに動かすことによって偶然生み出されたサウンドが、あたかもアシッドすなわちLSDの幻覚作用を思わせる幻想的なサウンドであったために、この名前がついたといわれている。(Wikipediaより)

この発生の曲が上の曲です。このサウンドとは曲中のびよびよした音で、ちょっとサイケデリック。

ディープハウス

Mr Fingers Mystery of Love https://youtu.be/CvUp3P9sLO4 via @YouTube

緩やかに展開していくのが特徴で、派手な部分は一切ないんだけど、その感じが心地よいっていうジャンル。段々と深みにハマる感じ。

プログレッシブハウス

Leftfield – Not Forgotten https://youtu.be/Pwvxtg1_zAs

ハウスの派生ジャンルの中では比較的新しい。プログレッシブという意味の通り、今までやったことないことをやろう的な。なので音的な特徴を捉えるのがちょっと難しいけれど、今までのハウスよりよりごちゃごちゃしてるみたいな雰囲気でも構わないと思う。

そういった風に、ジャンルは発展してきた。しかもジャンル名にはきちんとした由来があるし、音的な特徴もジャンルで表していることが多い。元ジャンルの名前にプラスしてつけられることも多い。

更にハウスは発展して、ジャングル、ガラージ ハウス、UKガラージ、ドラムンベースなどが盛んになる。この辺から4つ打ち…?といった感じがしてくる。

2step(UKガラージの派生)

Craig David ft Artful Dodger – Re-Rewind https://youtu.be/cUYgNEwD3gQ via @YouTube

リズムのノリの重点が二つ以上あることから、『二つのステップ』=2ステップと名づけられた。具体的には、1小節の中のキックドラム(以下キック)の1拍目と3拍目が強調されており、キックやその他ドラム、ベース等の位置がこれまでのジャンルのようにハッキリせず、フレーズごとにズレたようなサウンドを奏でる。(Wikipediaより)

※2step大好きなのでここだけは紹介したかった。

そういった中、2000年代では複雑化した音楽ジャンルと、新しい音楽の出現が過剰だった。上記のなんちゃらハウスファミリーを聴いても分かる通り、音楽は正直真似から始まる部分も多いと思う。ハウス作ってみたけど、自分要素加えよみたいな感じ。そんな風になんかこの新しい感じのリズム真似しようみたいな感じで多分ジャンルは発展していった。もちろんそれは、ハウスやテクノの仲間もそうだし、そうでないものも。代表的なのはこちら。

トラップ

Baauer – Harlem Shake [Official Audio] https://youtu.be/qV0LHCHf-pE

ヒップホップ派生でトラップというものが生まれていたが、それが段々とエレクトロニックになってきた感じ。そちらのヒップホップ側と区別した呼び方もあるにはあるけど、全く流通してないと思う。

ダブステップ、ブロステップ

ダブの元を辿るとレゲエになる。そのダブとUKガラージが合わさったみたいな感じでダブステップが生まれた。

Kode 9 & Spaceape – 9 Samurai https://youtu.be/WaU-pnassYM via @YouTube

但し、ダブステップと言うとこういうベースがぐぎゃぎゃぎゃぐわーんって言ってるやつをイメージする人も多い。

Skrillex – Scary Monsters And Nice Sprites (Official Audio) https://youtu.be/WSeNSzJ2-Jw via @YouTube

これを区別するためにブロステップと呼ぶ流れもあったりする。

ダブステップと似た流れのルーツとしてはグライムもある。

UKガラージとダンスホールレゲエとヒップホップを混ぜ合わせたようなジャンルでUK発だ。音はダブステップに似てる部分もあるけれども、ラップが入る。

Pay As You Go Cartel – ” Know We ” https://youtu.be/UiCQnQ6xtRQ via @YouTube

そして、プログレッシブハウスにしてもプログレッシブハウス内で更に進化を遂げていた。

Avicii – Levels https://youtu.be/_ovdm2yX4MA via @YouTube

(他にもジューク/フットワークとかジャージークラブとか本当に沢山のジャンルがある。)

見て分かる通り、色んなジャンルの音楽が複雑に混ざり合っていっていき、新しいジャンルが生まれている。

そして、環境の変化として、クラブがマイノリティーの遊び場だった時代から変化していた。マイノリティーだけの場所ではなくなっていた。更にメインストリームであるポップスの有名な歌手でも上記のようなサウンドを取り込む。コラボなんかも盛んになってきた。

そんな時代にEDMという単語が出てきた。私が初めて観たのは、Deadmau5(デッドマウス)の記事を読んでからだ。EDMとは、エレクトロニック・ダンス・ミュージックの略だと言う。

えっと思った。というのは初めて見る音楽のジャンルを表していると思しき単語が、今まで紹介した既存の音楽ジャンルを大量に包括して表現する言葉だったからだ。

エレクトロニックと言うと、電子のという意味なので、電子音楽をイメージする。シンセサイザーやシーケンサーを用いた音楽だ。そこにダンスと来る。ダンスミュージックと言えば、踊れる曲だ。これは複数ジャンルを包括する踊れるなら何でもダンスミュージックとすら言える。

今までのクラブミュージックを全て表すような単語にしか見えない。しかも、今までのジャンルの名付け方とも違う。(何故頭文字…。)

そうやって当時は非常に困惑したが、ジャンルではなく、色んな音楽を表した呼び方なんだと解釈していた。ただ、今では1つのジャンルのような呼ばれ方をしている。

EDMと言うと、なんとなくビッグルームハウスが多い。でも、上記で紹介したトラップのBaueerもブロステップのSkrillexもみんなEDMと呼ばれたりする。なんとなく皆クラブミュージック内のメインストリーム的なやつをEDMと呼んでるっぽさがある。EDMとは一体なんなのか。言葉の通り捉えると、イコールクラブミュージックとすら言えるけれども、所謂テクノはEDMっぽくは感じない。

今までジャンルは元ジャンルの名前をつけてることによるリスペクトがあったし、これまでの流れとかも汲んだ上での名前だったし、そのジャンルが何故生まれたのかとか、どういった音なのかとかのアイデンティティーみたいなものがジャンル名に表されていたと思う。

違和感があるのは、そういった過去の音楽ジャンルの歴史を無視したように感じること、ジャンル名が何を言いたいのか分からないことだ。だって名前からは今までの色んなジャンル全て含まれるように聞こえるのに。出身が違うけれども、なんか流行ってるやつみたいな印象すら受ける。

でもジャンルって誰かが決めるわけじゃないし、最初の人は大きな音楽の総称として使ってたのに、いつのまにか今みたいな特定の音楽を示すようになったのかもしれない。

多分私が最初にクラブミュージックとはと語ったレベルでの非常に大きな音楽の総称になっているのだろうとは思う。

別にEDMと呼ぶのを否定するわけじゃない…!本当に。今やそう呼ばざるを得ないとも思う。ただし、こういったことがあるんだなあと知ってもらうとより色んなことが楽しくなるかも。

Published by

ohanachann

http://ohanachann.strikingly.com/

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google photo

You are commenting using your Google account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s